マウスピース矯正で親知らずを抜歯すべきと私が判断する理由
2025.11.28
池袋の歯医者さんみんなの矯正歯科・こども歯科クリニック
〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目2−1 ウィックスビル 9階
電話番号 03-6907-3967
マウスピース矯正を行う際、私は萌出している親知らずは原則として抜歯すべきと判断しています。
これは、私自身の臨床経験から導いた“明確な治療基準”です。
患者様から「どうして親知らずを抜く必要があるのか」と質問されることがありますが、答えはとてもシンプルです。親知らずが残っていると…
・印象精度が落ちる
・マウスピースの適合が悪くなる
・遠心移動が成立しなくなる
・虫歯や歯周病のリスクが上がる
この4つが重なり、矯正の再現性が大きく下がるからです。
私が親知らず抜歯を推奨する理由を整理します。
・印象精度が落ちるため
私は、矯正治療のクオリティは印象精度で決まると考えています。
7番遠心すら撮影が難しいスタッフも多い中で、親知らずまで正確にスキャンするのはさらに難易度が上がります。
その結果、印象が不鮮明になり、マウスピースの後縁が浮くなどのトラブルが起きます。
印象が不明瞭な状態では、どれほどクリンチェックを精密に作っても計画通りに動きません。
私は数多くの症例でこれを経験してきたため、萌出している親知らずは必ず抜歯すべきだと判断しています。

遠心移動が物理的に成立しないため
私の治療計画では
・上顎は4ミリ
・下顎は3ミリ
の遠心移動を行うことができます。
しかし、親知らずが残っている場合、後方に歯を動かすスペースが完全に塞がれます。
7番を後ろに移動させようとしても、親知らずが壁となって動きが止まり、治療が進まなくなります。
遠心移動はスペース確保の核となる重要な技術であり、親知らずが残っているとこれが成り立たないため、私は原則抜歯を推奨しています。

マウスピースのフィット不良を引き起こすため
親知らずが残っていると、マウスピースの後縁が最後臼歯部で正しく覆えず、タブのように浮き上がります。
私は臨床でこの状態を何度も見てきました。

後縁が浮いたマウスピースは矯正力が歯に伝わらないため、計画通りの移動が再現されません。
親知らずを抜歯して7番遠心まで明確に印象が取れる状態にすることで、マウスピースの適合は大幅に改善します。
清掃性が悪く、虫歯・歯周病のリスクが上がるため
親知らずは清掃が難しいため、マウスピース矯正中に虫歯が発生しやすくなります。
矯正中の虫歯治療はマウスピースの再製作や治療中断につながり、患者様の負担が増大します。
私は、治療の途中で虫歯治療のために治療計画を中断せざるを得ないことを避けるべきだと考えています。
そのため、清掃性を確保する意味でも親知らず抜歯は合理的な選択となります。
私の判断基準は一貫している
私自身の治療基準では以下のように決めています。
・萌出している親知らずは全て抜歯
・完全埋伏歯は抜歯不要
・遠心移動を行う場合は必ず抜歯
これらは全て、過去の臨床経験と治療再現性の観点から導いた基準です。
患者様が嫌がるのは「抜歯」そのものではなく
矯正が失敗すること
治療期間が延びること
予定通りに動かないこと
です。
私は、これらを防ぐために必要な判断として親知らずの抜歯を推奨しています。
まとめ
私は、マウスピース矯正の成功率を最大限に高めるために、親知らずの扱いを極めて重視しています。
・印象精度の向上
・遠心移動の成功
・マウスピース適合の安定
・虫歯予防
すべてが治療結果に直結するからです。
計画通りに安全に治療を進めるために、萌出している親知らずの抜歯は非常に重要なステップです。
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