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池袋の歯医者さんみんなの矯正歯科・こども歯科クリニック
〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目2−1 ウィックスビル 9階
電話番号 03-6907-3967

マウスピース矯正では、治療計画の精度を左右する最も重要な工程のひとつが「光学印象」です。
私は常に「印象が悪い治療は、どれだけ計画を頑張っても絶対に再現しない」と伝えています。

しかし実際の臨床では、印象精度を低下させる最大の原因のひとつが
親知らず（特に萌出している8番）
です。

患者様は「親知らずがあってもスキャンできるのでは？」と思われることが多いですが、臨床的にはまったく違います。

ここでは、親知らずが印象精度を落とす“本当の理由”を、私自身の経験に基づいて解説します。

 

私が印象を最重要視する理由

マウスピース矯正は、印象データをもとに
・マウスピースの形
・アタッチメント
・遠心移動量
・側方拡大
あらゆる動きを設計します。

つまり、印象が不十分だと
治療計画そのものが成立しない
マウスピースがフィットしない
予定の移動量が実現しない
といった問題が必ず発生します。

私は何千枚ものクリンチェックを見てきた中で
「印象が悪い＝治療が破綻する」
という結論に至りました。

その印象精度を最も邪魔するのが、親知らずです。

 

親知らずが印象を悪くする根本理由

（私が臨床で確信した4つのポイント）

私が自院で治療計画を立てる中で、親知らずがあると印象が悪くなる理由は次の4つに集約されます。

 

理由1

７番遠心が正しく撮れない

マウスピース矯正では「７番遠心」が非常に重要です。
後縁のフィット、遠心移動のコントロール、咬合の安定、どれもこの部位の精密さに直結します。

しかし、親知らずが萌出しているとスキャナーが入りにくく、７番遠心を正しく再現できません。
私は多くの医院のスキャンを確認してきましたが、ここが撮れないケースが圧倒的に多いです。

７番遠心の不明瞭な印象は、そのままマウスピース後縁の浮きにつながり、治療の再現性を大きく損ないます。

 

理由2

８番は構造上「絶対に撮れない」

私ははっきり言います。
７番遠心が撮れないスタッフが、８番を撮影することは絶対に不可能です。

これは技術の問題ではなく、解剖学的に無理があるからです。
スキャン距離、アングル、頬粘膜の張り、開口量、すべての条件が揃っても８番は極めて難しい構造に位置しています。

そのため８番が残っていると
・スキャンの後縁が途切れる
・マウスピース後縁が浮く
・アライナーの形が不正確になる
・このような問題が必ず発生します。

 

理由3

マウスピース後縁がタブ状に“浮く”

親知らずがあると、マウスピースの後縁が８番を覆えず、
タブ状に浮き上がる形になります。

これは私自身、治療初期に何度も経験しました。
浮いた後縁は圧力が逃げるため、
・圧下
・遠心移動
・トルクコントロール
が成立しません。

タブ状の後縁は、矯正そのものの根幹を壊す重大な要素になります。

 

理由4

スタッフ間での印象精度の差が大きくなる

スキャンは誰が取っても同じではありません。
私は「医院として一定の医療水準を保つために、親知らずの抜歯が必要」と考えています。

親知らずがあると
・上手い人しか精度が出せない
・スタッフ教育が難しくなる
・ミスが患者の治療に直結する

実際、８番がある状態で精密なスキャンができる人はごく１部です。
これでは医院として再現性が出せないため、私は必ず萌出している8番を抜歯するよう明確に伝えています。

 

私の結論：親知らずがある限り、高精度の印象は不可能

私は臨床経験から次のように結論づけています。

萌出している親知らずがある状態では
高精度の印象は絶対に成立しない
＝治療計画の再現性が著しく下がる

だからこそ、私は
萌出している親知らずは100％抜歯
という明確な治療基準を持っています。

親知らず抜歯は患者様の負担に見えますが、
・矯正の治療精度
・治療期間の短縮
・トラブル回避
を考えると「治療を成功させるために必要なステップ」です。

 

まとめ

親知らずがあると印象が取れない理由は
・７番遠心の精度が下がる
・８番は構造上撮影が困難
・マウスピース後縁が浮く
・スタッフ間で精度が安定しない
この4つです。

マウスピース矯正は、印象が命です。
治療を正確に再現し、安全かつ最短で進めるために、私は親知らずの扱いに最も厳しい基準を持っています。

 

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