『プレオルソ』こども歯ならび矯正法
2024.07.27
このブログは、教科書に基づいた正確な定義をお伝えするだけでなく、人気セミナー講師No.1に選ばれた新渡戸先生の独自の視点から、わかりやすく情報をお届けします。
『プレオルソ』こども歯ならび矯正法
Q. どんな治療効果がありますか?
歯ならびの改善
お口ポカンの改善
咬み合わせの改善
正しい発音・飲み込み
口呼吸から鼻呼吸へ
【にとべ先生のお話】
プレオルソの目的について
プレオルソの主な目的は、歯ならびを治すことだけではありません。もちろん、プレオルソを使うことで歯ならびを改善することは可能ですが、それは叢生や反対咬合など一部の症状のみです。最も大切ポイントは『お口の中の環境や顎と筋肉のバランスを整えること』
おとなの矯正に移った場合でも、次の可能性が高くなります。
治療期間の短縮
抜歯をしない治療(非抜歯矯正)
治療後の歯ならびの安定 (後戻り防止)
【にとべ先生のお話】
Ⅱ期治療(おとなの矯正)が早く終わる理由について
Ⅱ期治療が早く終わる最も重要な理由は、歯列弓(歯のアーチ)を改善できるからです。卵型の美しい歯列弓にすることで、Ⅱ期治療がスムーズに進みます。
よくある誤解として、「歯の萌出スペースが確保されたから早く終わる」と思われることがありますが、これは間違いです。歯の萌出スペースはリーウェイスペースによって確保されるものであり、小児矯正で一番大切なのは歯列弓の正常化です。
Q. なぜプレオルソなのですか?
プレオルソには装置が使いやすいという特徴があり、安心・安全に治療に取り組んでいただけます。
柔らかい素材
取り外し可能
上下一体の構造
【にとべ先生のお話】
プレオルソの優れた点について
・柔らかい素材
プレオルソは柔らかい弾性素材で作られているため、痛みが少なく快適に治療を進めることができます。一方で、硬い素材を使った拡大床は痛みが強く、治療を中断するお子様が約20%~30%います。
・上下一体型の構造
拡大床は上顎しか拡大できませんが、プレオルソは上下一体型なので、上下の歯を同時に拡大できます。多くの場合、歯が重なっている叢生(そうせい)は下顎に存在し、これを解決するには上下を同時に治療(拡大)することが重要です。
取り外し可能
プレオルソは取り外し可能な装置なので、患者さん自身で簡単に取り外しができます。これに対し、固定式装置は取り外しができず、痛みが強く、虫歯や歯肉炎のリスクも高くなります。矯正学会では、固定式装置の使用をなるべく避ける方針となっています。
プレオルソの使い方
通院時
必ず装置を持ってきてください。
日中
1~2時間、お家にいる時で構いません。装置を入れてお口を閉じたり、話をする練習をします。
就寝時
装置を入れた状態で寝ます。
+ プラス!
さらに治療効果を高めるために、以下のようなトレーニングを併用することがあります。
舌・口元のトレーニング(あいうべ体操)
発音のトレーニング
水を飲み込むトレーニング
【にとべ先生のお話】
プレオルソの仕組みについて
プレオルソ自体には矯正力がありません。
『えっ!そうなんですか?』
歯科医師でも、プレオルソの仕組みを理解していない場合があります。
これはよく誤解される点です。例えば、インビザラインやワイヤー矯正のような装置は、装置自体に力が加わる仕組みになっています。
しかし、プレオルソのような機能的矯正装置は、装置に矯正力がないのです。では、どうやって力を発揮するのでしょうか?
舌の力
ほっぺたの力
唇の力
顎や筋肉のバランス
これらがバランスを保つことで、初めて矯正力が発揮されます。このような矯正装置を「機能的矯正装置」と呼びます。
保護者の方へ
プレオルソこども歯ならび矯正法について
治療の流れ
Step1: 相談
一般的な説明
治療期間
費用などの説明
Step2: 資料集め
レントゲン
各部の写真
歯の型取り
Step3: 診断
治療方針
治療方法
プレオルソの使い方などの説明
費用などの確認
Step4: 治療開始
【にとべ先生のお話】
池袋の歯医者さん みんなの矯正歯科・こども歯科では、歯型を取る際に粘土のような材料は使いません。また、石膏模型も使用しません。なぜなら…
・粘土のような素材は約5分間、口の中に入れておく必要があります。特に子どもたちはじっとしているのが難しいため、正確に歯型を取ることができないことがあります。
・石膏模型は収縮や膨張、さらには変形する恐れがあり、精度が低いことがあります。
・当院では「光学印象」と呼ばれる3Dスキャナーを使用してデジタル設計を行っています。また、模型の作成には3Dプリンターを使用し、寸法精度の高い模型を作成します。
これにより、より正確な診断と治療が可能となります。お子さまにも安心してご利用いただけますよ!
年齢による治療方法
Ⅰ期治療(こどもの矯正)で終了される患者さんもいれば、Ⅱ期治療(こどもの矯正)をされる患者さんもいらっしゃいます。Ⅱ期治療を希望される場合にも、Ⅰ期治療をしておくと大きなメリットがあります。
Ⅰ期治療
混合歯列期(6歳~10歳ごろまで)
歯ならび
咬み合わせ
発音
体癖
治療装置(プレオルソ)を使った治療だけでなく、生活習慣も見直し、きれいな歯ならびのための土台を作っていきます。
Ⅱ期治療(本格矯正)
永久歯列期(11歳以降)
よりきれいな歯ならび
全ての歯に装置をつけた治療
【にとべ先生のお話】
歯科医師の先生方へ
プレオルソのガイドラインには一部誤りがありますので、治療方針をそのまま進めることはお勧めできません。
小児矯正は混合歯列期に行われます。ヘルマンの歯齢で言うと、「ⅡC」から始まります。具体的には、以下のようになります。
・小児矯正は、1番と6番の歯が萌出を開始したときに始められます。これは小学校1年生頃に相当します。
・治療の終わりは、永久歯列期になると成人矯正に移行します。ヘルマンの歯齢で言うと「ⅢC」で、これは7番の歯が萌出を開始する時期、すなわち小学校6年生以降となります。
まとめると、 小児矯正 = 混合歯列期 = 小学校1年生から5年生まで
これが学術的に正しい定義ですので、ぜひ覚えておいてくださいね!
外部リンク
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プレオルソ矯正