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インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

こんにちは、池袋の歯医者さん みんなの矯正歯科・こども歯科クリニック院長の新渡戸康希(にとべこうき)です。

これからインビザライン治療を始める先生や歯科衛生士さん、歯科助手さんに向けて、インビザライン治療を分かりやすくお伝えいたします。

 

現状の問題点

現在、日本ではインビザライン治療を体系的に学べる場所がほとんどありません。大学の授業でも、マウスピース矯正についてはわずか1ページしか取り扱われていません。そのため、臨床の場で実際に治療を行う際に、多くの勤務医の先生や新卒の歯科衛生士さん、歯科助手さんが不安を抱えています。

 

学習の重要性

私が考える効果的な学習方法は、まず知識を身につけることです。知識があれば、技術は後からついてきます。しかし、現在の多くの歯科医院では、技術面だけを教え、なぜその治療が必要なのか、学術的な背景について教えることが少ないです。これでは、治療を行う際に不安が残ってしまいます。

 

私、新渡戸康希は、

医療法人社団 杏壬会(きょうにんかい) 理事長

日本成人矯正歯科学会所属 矯正専門医師

歯科検定協会 代表理事長

このような仕事を行っております。今回、インビザライン治療についての知識と技術を皆さんにお伝えし、不安を解消するお手伝いをしたいと思います。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

失敗しない矯正治療のポイント:IPRとボルトン分析

今回は、矯正治療で重要なIPRとボルトン分析についてお話しします。難しそうに聞こえるかもしれませんが、分かりやすく解説しますので、ぜひ楽しみながら学習してください。

 

 

IPRって何?

IPRとは、歯と歯の間を少し削って隙間を作る治療方法です。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

IPRについての誤解

IPRとは、歯と歯の間のエナメル質をわずかに削って『スペースを作る方法』であると、多くの歯科医師・歯科衛生士・歯科助手が解釈していますが、間違いです。

 

ポイント①

IPR ≠ スペースを確保する方法

 

 

よくある誤解

前歯に叢生(歯の重なり)がある場合、IPRだけでその問題を解決しようとするのは間違いです。確かにIPRはスペースを作る手段の一つともなり得ますが、本質は違います。なぜこのような勘違いが生まれるのでしょうか?

叢生の改善方法を例に考えましょう

改善方法は、歯が並ぶスペースを作ることです。歯が並ぶスペースを作る方法は4つあります。

①抜歯

②遠心移動

③側方拡大

④IPR

 

この4通り以外に治療方法はありません。

 

①抜歯:歯を抜くことでスペースを作る方法です。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

②遠心移動:歯を後ろに移動させる方法です。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

③側方拡大:顎の幅を広げる方法です。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

④IPR:歯と歯の間を削ってすき間を作る方法

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

教科書やセミナーで、このように習うことがあります。これがダメな理由です。

 

 

正しい理解のために

IPRがスペースを作るための方法ではないことを理解するためにボルトン分析を理解することが重要となります。

 

 

ボルトン分析って何?

ボルトン分析は、上下の歯の大きさのバランスがとれているか確認する方法です。

歯並びがきれいでも、咬み合わせが正しいとは限りません。上下の歯のバランスがとれているかを調べます。

このバランスが取れていないと、矯正治療後に正しい咬み合わせをつくることができなくなってしまいます。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

ボルトン分析の重要性

マウスピースを渡すだけ矯正治療が終了するのであれば、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手は必要ありません。

 

歯並びがきれいになるだけではなく、正しい咬み合わせを作ることも大切です。例えば…

・上の歯がとても大きい

・下の歯はすき間ができるくらい、とても小さい小さくて

このような状況では、歯並びはキレイでもかみ合わせはうまくいきません。

 

歯科医師はボルトン分析でバランスを確認しながら治療を進めます。

 

実際の例を見てみましょう

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編
インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

上顎両側側切歯の大きさを見てみましょう

上の歯が2本、小さい状態です。

 

では、この患者様は矯正終了後に…『しっかりとした咬み合わせを構築できるでしょうか?』

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

コチラをご覧ください。治療を開始して8か月後の写真です。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編
インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

インビザライン治療により、歯並びはキレイになりました

 

ただし‥先ほどお伝えした通り

『しっかりとした咬み合わせを構築できるでしょうか?』

上下の歯の大きさが違うから、『バランス悪そう』ですよね…

 

ポイント②

『歯並びがキレイになっても、正しい咬み合わせとは限らない』

『正しい咬み合わせを確立するためには、上下の歯の大きさのバランスが取れているかが重要』

 

次の症例(患者様の例)を見ていきましょう!

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編
インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

左上2番の先天欠如です ※先天欠如 生まれつき歯がない人

 

では、この患者様は矯正終了後にしっかりとした咬み合わせを構築できるでしょうか?

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編

 

 

左上2番以外は全ての歯がそろっている状態です。

きっとインビザライン治療によって、歯並びはキレイに出来るでしょう

ただし、上下の歯のバランスを取ることは難しそうですね…

 

 

ポイント③

先天欠如の方は『正しい咬み合わせを確立すること』は困難

 

 

患者さんにはいろいろな特徴があります

『極端に歯が小さい』『歯が大きい』『欠損歯がある』『埋伏歯がある』

これらは当然ながら、その後の『咬み合わせ』に影響します

 

 

ポイント④

『矮小歯・欠損歯・埋伏歯・癒合歯・乳歯の晩期残存』

 

これらは、正しいかみ合わせを崩す原因

インビザラインで歯並びを治すことは出来ます!ただし…正しい咬み合わせを作ることは難しい

 

 

今回のまとめ

ボルトン分析とは何かについて考えました。最近では、歯並びを治すことはインビザライン治療によって比較的簡単になってきました。特に、ワイヤー矯正と比べて治療スピードが速く、デジタル設計による正確で精密な治療が可能です。また、CTとの連動もできるため、歯根露出やリセッションのリスクも低くなりました。これは歯科医師だけでなく、患者さまにとっても大きな利点です。

しかし、実際には患者さんの臨床的な観察が重要です。症例数が多いことや分院がたくさんあることを自慢する先生もいますが、実際には患者さんを見ていない場合があります。クリンチェックを作ること自体が治療ではなく、実際には臨床での咬み合わせの調整が重要です。そのため、患者さんと常にコミュニケーションを取り、話し合う場所が必要です。もし、そのようなことが行われていない患者さまがいらっしゃれば、ぜひ一度、担当医(インビザラインの袋に書かれている歯科医師)としっかり話し合う時間を持つことをお勧めします。

 

ボルトン分析については、ぜひブログの

 

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

https://www.ikebukuro-minnano.com/blog/detail.html?id=26

コチラをご覧ください!最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

池袋の歯医者さん みんなの矯正歯科・こども歯科クリニック
〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目2−1 ウィックスビル 9階
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