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インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

こんにちは、池袋の歯医者さん みんなの矯正歯科・こども歯科クリニック院長の新渡戸康希です。今回は、これからインビザライン治療を始める方や、歯科衛生士、歯科助手の皆さんに向けて、インビザライン治療について詳しくお伝えします。

 

インビザライン治療について学ぼう『IPR』前編 

リンク先:https://www.ikebukuro-minnano.com/blog/detail.html?id=25

ご覧いただけましたでしょうか?是非、まだの方はこちらから前編を先にお読みください。

 

まずは…前編の復習を少し行っていきます。

 

IPRとは?
IPR(Interproximal Reduction)は、歯と歯の間を少し削って隙間を作る治療方法です。しかし、IPRは単にスペースを確保する方法ではありません。ここで、IPRについての正しい理解を深めましょう。

 

誤解
多くの人が、IPRはスペースを作るためだけの手段と考えていますが、これは誤解です。

 

ボルトン分析とは?
ボルトン分析は、上下の歯の大きさのバランスを確認する方法です。歯並びがきれいでも、咬み合わせが正しいとは限りません。ボルトン分析により、上下の歯のバランスをチェックし、矯正治療後に正しい咬み合わせを作ることができます。

 

ボルトン分析の重要性
正しい咬み合わせを作るためには、上下の歯の大きさのバランスが重要です。例えば、上の歯が大きく、下の歯が小さい場合、歯並びはきれいでも、咬み合わせがうまくいかないことがあります。

 

前編のまとめ
ボルトン分析について理解することで、IPRがスペースを作るための方法ではないことを知り、正しい咬み合わせを作るための治療を進めることができます。インビザライン治療では、歯並びをきれいにするだけでなく、咬み合わせのバランスを重視することが重要です。

 

後編では、さらに詳しくボルトン分析とIPRの具体的な方法についてお話しします。前編同様、楽しみながらご覧ください!

 

ボルトン分析の手順

まずは歯の大きさに原因があるので(矮小歯・癒合歯・乳歯 etc)

『歯の大きさをノギスで測ってみよう』

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

【Tooth size ratio トゥースサイズレシオ】

Tooth  歯   Size  サイズ・大きさ   Ratio  比率・割合

Tooth size ratio  上下の歯の大きさの割合

 

とりあえず、上下の歯の大きさを測りましょう。歯の大きさは6番まで計測します

「えっ!?なんで7番は計測しないんですか?」

 

『コラム』

ボルトン分析で7番まで継続しない理由について、現代の歯科医師や歯科衛生士、歯科助手さんには不思議に思えるかもしれません。しかし、当時の環境を考えると、その理由が見えてきます。

現在では、アルジネート印象材や石膏模型がどこでも手に入りますし、デジタル技術も発達しています。そのため、7番まで継続することは簡単です。しかし、昔の歯科治療では、アルジネート印象材や石膏模型がないのが普通でした。また、ノギスのような精密な測定器具もなく、普通のメジャーや定規で測っていたのです。

ボルトン分析を行うためには、多くのデータが必要です。少なくとも50人から100人のデータを集める必要がありますが、そのデータを得るために、直接患者さんの歯を測るしかありませんでした。アルジネート印象材や石膏模型を使えないため、7番まで正確に測ることが難しかったのです。だからこそ、6番まで測るという方法が取られていたのです。

このように、現代と昔の歯科治療の違いは多岐にわたります。現在では当たり前のように使えるアルジネート印象材や石膏模型、シリコン印象材などの便利な道具を、大切に使っていきましょう。

 

上下の歯の大きさをノギスを使って測りました。

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編
インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

【上下の歯の比率 tooth  size ratio】

上下の歯のバランスが取れていないと正しいかみ合わせにならないので、比率を出してみよう!と考えました

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

『前歯6本の合計を足してみる』

上の前歯6本の合計が46.74mm

下の前歯6本の合計が36.47mm の場合、比率は次のように計算します

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

36.47mm ÷ 46.74mm ×  100  = 78%

だから何!って感じですよね。この78%は何を意味するのでしょうか?

 

『ボルトン分析における基準値』

下顎3-3の合計  /上顎3-3の合計  ×  100 =  77.2%

下顎6-6の合計   /上顎6-6の合計     ×    100 =  91.3%

 

 

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

もう一度、数式を見てください。

36.47mm ÷ 46.74mm ×  100  = 78%

 

私、新渡戸の患者様は78%という結果になりました。

ボルトン分析の基準値は77.2% 

 

基準値より数字が大きくなっています。という事は、分子が大きいので…

『下の歯が、大きい』ということになります

 

大切なポイント

基準値より数字が大きい場合 → 下の歯が大きい or 上の歯が小さい

基準値より数字が大きい場合 → 上の歯が大きい or 下の歯が小さい

 

 

ちなみに…6番~6番も計算しました!

基準値(91.3%)より大きい数字(92.0%)となっていました。

 

結論

・やっぱり下の歯が大きい

・咬み合わせのバランスを崩している原因は、下の歯にある

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

では、実際にどのくらい大きいのでしょうか?

計算結果が、コチラ!

インビザライン治療について学ぼう『IPR』後編

 

 

6番~6番で0.65mm、下の歯が大きい。このような結論に至りました。

 

では、ボルトン分析の基準値に合わせるため、何をすべきでしょうか?

そうです!下の歯を、0.65mm削ります

 

これがIPR!

 

 

【IPRのまとめ】

①歯並びがキレイになっても『正しい咬み合わせ』とは限らない

②正しい咬み合わせのためには『上下の歯の大きさのバランスが重要』

③Tooth size ratio ボルトン分析を用い『不調和を計測』する

  不調和が生じている場合、それを改善するためにIPRを行う

 

 

最後に…

IPRについて、単にスペースを作るための手段だと思っている方もいらっしゃったと思います。しかし、正しい理解としては、IPRは咬み合わせを整えるための重要な方法です。

ボルトン分析は、咬み合わせのバランスを整えるためには必須項目です。

IPRとボルトン分析を理解することにより、先生のクリンチェックは

 

歯並びだけを治す治療 → 咬み合わせまで改善する治療

飛躍的に治療レベルが向上することと思います。

 

ボルトン分析をみてIPRを行うことで、患者さんの咬み合わせをより良くすることができます。

 

※歯科医師の中には「俺は、IPRなんてしない!」と自慢する先生もいますが、それはボルトン分析を見ていないといっているのと同じです。私自身、今まで多くの患者さん(1,000名以上)を治療してきましたが、ボルトン分析が「0(ゼロ)」になる方は1人もいませんでした。そのため、どんな患者さんにも必ずIPRは必要な措置だと言えます。

 

「遠心移動するからIPRはいらない」

「抜歯するからIPRいらない」という考えも誤りです。正しい知識を持って治療に取り組むことが大切です。これでIPRに関する知識が整ったと思いますので、自信を持って治療を進めてください。どうぞよろしくお願いします。

 

外部リンク

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【インビザライン・ジャパン株式会社】

https://www.invisalign.co.jp/

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