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奥歯の感染はどこまで残せるのか 保存治療と抜歯の判断基準について

奥歯の根の感染や大きな腫れが起きた際、
できるだけ歯を残したい
抜歯は避けたい
そう考える方は少なくありません。

一方で、歯科医師側には
本当に残せるのか
再発のリスクはどこまで許容できるのか
という判断が常に求められます。

私は歯科医師として16年間診療を行い、
保存できた歯
結果的に抜歯が最善だった歯
その両方を数多く経験してきました。

本記事では、奥歯の感染に対して
どこまで保存を試みるのか
どの時点で抜歯を選択するのか
その判断基準についてお伝えします。

 

奥歯の感染治療で最も重要なこと

奥歯、特に6番・7番の感染では
治療方法そのものよりも
初期判断が最も重要です。

なぜなら
無理な保存は再発を繰り返し
結果的に治療期間と患者負担を増やしてしまう
からです。

そのため当院では
最初に保存可能性を冷静に評価します。

 

初診時に行う対応

初診時に強い痛みや腫れがある場合
以下の処置を優先します。

投薬
切開排膿

これは
症状を一時的に抑えるためだけでなく
歯の保存可能性を見極めるための重要なステップです。

 

保存か抜歯かを判断する基準

当院では、以下に該当する場合
抜歯を第一選択とします。

動揺度3度
歯肉縁下まで及ぶカリエス
歯周ポケット4mm以上

これらは
感染の再発リスクが非常に高い状態であり
保存治療を行っても長期的な安定が得られにくいためです。

 

抜歯条件に該当しない場合

上記条件に当てはまらない場合
感染根管治療を行います。

この際
初回の処置に十分な時間をかけ
感染源の除去を徹底します。

その後
約1か月後に症状の変化を確認します。

ここで重要なのは
経過を必ず評価する
という点です。

 

経過観察後の判断

1か月後
フィステルが消失している場合
根管充填を行います。

一方で
フィステルが残存している場合
その時点で抜歯を選択します。

保存に固執せず
治療の区切りを明確にすることが
患者にとって最善の結果につながると考えています。

 

補綴後に再発した場合の考え方

被せ物まで行った後に再発した場合
原則として抜歯を選択します。

再治療を繰り返すことは
歯の寿命を延ばすどころか
周囲組織への負担を増やす結果になることが多いためです。

 

歯根端切除についての考え方

当院では
歯根端切除は行っていません。

これは
治療技術の問題ではなく
長期的な安定性と再発リスクを考慮した判断です。

できる治療を増やすことより
やらない治療を明確にすること
これもプロフェッショナルとしての責任だと考えています。

 

保存治療と抜歯は対立概念ではない

保存治療は善
抜歯は悪

そのような単純な構図ではありません。

大切なのは
どの選択が患者にとって
最も負担が少なく
長期的に安定するか
という視点です。

その判断を
経験と基準に基づいて行うこと
それが歯科医師の役割です。

 

当院の診療姿勢について

池袋の歯医者さんみんなの矯正歯科・こども歯科クリニックでは
矯正治療を中心にしながら
むし歯治療
根管治療
抜歯
親知らずの抜歯
まで一貫して対応しています。

治療方法ありきではなく
判断基準ありき
それが当院の診療スタンスです。

 

医院情報

池袋の歯医者さんみんなの矯正歯科・こども歯科クリニック
〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目2-1 ウィックスビル9階
電話番号 03-6907-3967
https://ikebukuro-minnano.com

03-6907-3967