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インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方

みんなの矯正

2025.12.21

インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方

マウスピース矯正が一般化した現在でも、抜歯矯正は依然として治療難易度の高い領域に位置づけられています。
その理由は単純で、歯の移動量が増えるほど、治療の予測実現性が低下するからです。

インビザライン治療において重要なのは、歯が動くかどうかではありません。
どこまでを確実に再現できる治療として設計できるか。
この一点に尽きます。

インビザラインにおける抜歯とは何か

インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方

インビザラインにおける抜歯とは、正常な咬合関係を構築するために必要なスペースを確保する目的で、1歯以上を計画的に抜歯することを指します。
これは歯列を並べるためだけの操作ではなく、咬合、顔貌、アンカレッジを含めた総合診断の結果として選択される治療行為です。

予測実現性という概念

インビザライン治療では、クリンチェックによって歯の移動を事前に設計できます。
しかし、設計できることと、実際に再現できることは別です。

そのため、治療計画は難易度ではなく、予測実現性の高さで分類する必要があります。


インビザライン治療における3つの臨床カテゴリー

インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方

臨床的には、インビザライン治療は以下の3つのカテゴリーに分けて考えることが合理的です。


軽度の治療およびまたは予測実現性の高い治療アプローチ

軽度症例では歯の移動量が少なく、アンカレッジ依存が小さいため、クリンチェック通りに治療が進行しやすい特徴があります。
前歯部の軽度叢生や歯軸調整が中心となり、治療の再現性は非常に高い領域です。


中等度の治療およびまたは予測実現性にばらつきのある治療アプローチ

 

中等度症例では、IPR、歯冠傾斜、軽度のアンカレッジコントロールが必要になります。
診断精度とクリンチェック設計力によって、予測実現性に差が生じる領域です。


より複雑な治療およびまたは予測実現性の低い治療アプローチ

インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方
インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方
インビザラインにおける抜歯矯正と予測実現性の考え方

重度症例では、抜歯、マキシマムアンカレッジ、リトラクションを伴うため、アライナー単体での完全な再現は困難になります。
この領域では、最初から予測実現性が低いことを前提に治療設計を行う必要があります。

 

なぜ抜歯矯正では診断力が結果を左右するのか

 

重度症例では
どの歯を動かさないか
どこに力を集中させるか
を明確に決める診断戦略が不可欠です。

抜歯矯正は、マウスピース操作ではなく、矯正歯科としての診断力そのものが問われる治療領域です。

 

本記事は、矯正治療を主力とする歯科医師 新渡戸康希が執筆しています。

医療機関名
池袋の歯医者さんみんなの矯正歯科・こども歯科クリニック

住所
〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目2−1 ウィックスビル 9階

電話番号
03-6907-3967

公式サイト
https://ikebukuro-minnano.com

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